決算分析

サンリオ26年3月期1Q決算:売上・利益が過去最高を更新!「複数キャラクター戦略」の驚異的な成果を徹底解説

investorlab

2025年8月8日に発表された株式会社サンリオの2026年3月期第1四半期決算は、売上高、営業利益、経常利益のいずれも過去最高を更新するという、驚異的な結果となりました。この快進撃の背景には、同社が推し進める「複数キャラクター戦略」と、それを支える緻密な事業戦略の成功がありました。

本記事では、決算短信と決算説明資料を基に、この素晴らしい決算のハイライト、成長を牽引する要因、そして通期業績予想の上方修正に至るまでの具体的な取り組みについて、ウェブメディアの記事風に分かりやすく解説します。

1. 決算ハイライト:大幅な増収増益で過去最高を更新

まずは、連結経営成績の全体像を見ていきましょう。

項目2026年3月期1Q2025年3月期1Q増減率
売上高430億円289億円+49.1%
営業利益201億円107億円+88.0%
経常利益202億円117億円+72.6%
親会社株主に帰属する四半期純利益141億円102億円+37.8%

売上高は前年同期比49.1%増の430億円、営業利益は88.0%増の201億円と、いずれも大幅な増収増益を達成しました。親会社株主に帰属する四半期純利益も37.8%増の141億円となり、すべての利益項目で好調な結果となりました。

この好調の背景には、海外子会社の決算期が1月〜3月であることや、円安の影響も含まれていますが、それを差し引いても力強い成長を示しています。

2. 成長を牽引する要因:「複数キャラクター戦略」の成功

サンリオの成長は、特定のキャラクターに依存するのではなく、複数のキャラクターの魅力を引き出す「複数キャラクター戦略」がグローバルで成功していることに起因します。

1. 国内事業:インバウンドと国内客の両取りに成功

  • 物販・店舗: 「ハローキティ」の周年施策に加え、20周年の「クロミ」や50周年の「マイメロディ」など、ハローキティ以外のキャラクター人気が売上を押し上げました。店舗では、外国人観光客の売上シェアが約40%と高い水準を維持しつつ、国内客も増加しており、客数・客単価ともに伸長しています。特にSNSで人気の「ちいかわ」とのコラボレーション商品も好調に寄与しました。
  • ライセンス事業: 「2025年サンリオキャラクター大賞」の総得票数が6,316万票と史上最多を記録するなど、イベントも好調です。ライセンス事業では、大手ライセンシーとのコラボレーション施策が奏功し、インバウンド需要の高いお土産品や和柄物、カプセルトイなどが人気を博しました。

2. 海外事業:すべての地域で大幅増益

海外のライセンス事業も、複数キャラクター戦略が功を奏し、すべての地域で大幅な売上増を達成しました。

  • アジア: 中国では「ハローキティ」に加え、「クロミ」や「シナモロール」などの人気も高まり、トイ&ホビー、アパレル、家庭用品カテゴリーが好調に推移しました。台湾でも「クロミ」人気が売上を大きく牽引しています。
  • 欧州・北米・南米: 欧州では大手ファストファッションとのコラボレーションが成功し、アパレルや玩具カテゴリーが牽引役となりました。北米では玩具、アパレル、デジタルコンテンツが好調です。メジャーリーグの「ハローキティ・ナイト」などプロスポーツとのイベントも実施し、顧客接点拡大に貢献しました。南米でも「クロミ」「マイメロディ」人気が高まり、アパレルやヘルス&ビューティーカテゴリーが売上を牽引しました。

3. 財務状況と通期業績予想:計画を大幅に上方修正

財務状況

  • 自己資本比率: 前連結会計年度末の52.9%から、56.4%に上昇しました。負債が減少したことなどにより、健全な財務状態を維持しています。
  • ネットキャッシュ: 765億円となり、前年同期比では減少しているものの、依然として潤沢な手元資金を確保しています。

通期業績予想

第1四半期の好調を受けて、サンリオは通期の業績予想を大幅に上方修正しました。

項目通期予想(8月8日修正後)通期予想(5月13日公表時)増減率(5月比)
売上高1,688億円1,500億円+12.5%
営業利益673億円520億円+29.4%
親会社株主に帰属する当期純利益475億円390億円+21.8%
年間配当金(1株当たり)60円54円+6円

営業利益は期初計画から約30%の上方修正となり、年間配当金も1株あたり60円に増配する予定です。

4. 今後の展望:グローバルでの成長基盤をさらに強化

サンリオの成長は、国内事業と海外事業の両輪が力強く回っていること、そして「ハローキティ」だけでなく、多様なキャラクターがファンに支持されていることにあります。

今後は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のスペシャルサポーターを務める「ハローキティ」のプロモーション活動や、株式会社IGポートとの資本業務提携によるコンテンツ創出など、さらなる成長に向けた戦略も着々と進められています。

サンリオは、多角的なキャラクターポートフォリオと、グローバルなライセンス事業の強みを活かし、今後も持続的な成長を目指していくでしょう。

出典:サンリオ 株主・投資家の皆様へ

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Dr.カブアガール
Dr.カブアガール
Data Analytics Specialist
金融データ分析メディア「インベスター・ラボ」所長 兼 データアナリティクススペシャリスト。 日々変化する株式市場の海の中から、データという羅針盤を手に「隠れた成長企業」という宝の島を探し求める探求者。複雑な財務データや市場トレンドを分かりやすく紐解き、個人投資家の皆様の意思決定をサポートすることを使命に燃えている。チョコに目がない
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