【決算分析】Aiロボティクス、驚異の成長続く!2025年3月期は売上倍増、スキンケア・美容家電が牽引。来期も倍増ペースの成長見込む

Aiロボティクス株式会社(東証グロース:247A)が2025年5月14日に発表した2025年3月期の決算短信〔日本基準〕(非連結)によると、同社は売上高、利益ともに大幅な成長を達成しました。主力ブランドであるスキンケアの「Yunth(ユンス)」と美容家電の「Brighte(ブライト)」が引き続き好調で、市場の需要を的確に捉えた商品展開が奏功しています。2026年3月期も引き続き高成長を見込んでおり、その事業戦略と財務状況に注目が集まります。
事業概要:D2Cモデルで美容市場を席巻
Aiロボティクスは、主にスキンケア製品や美容家電を自社ブランドで企画・開発し、ECサイトを中心に消費者に直接販売するD2C(Direct to Consumer)モデルを展開しています。
- 主力ブランド「Yunth(ユンス)」: 「生VC美白美容液」などが代表的なスキンケアブランド。品質にこだわりながらも価格とデザインのバランスに優れた商品を提供し、楽天ベストコスメ総合大賞第1位を獲得するなど高い評価を得ています。2025年3月期には新たに7つの新商品を投入し、ラインナップを拡充しました。
- 美容家電ブランド「Brighte(ブライト)」: 2024年2月に本格始動した美容家電ブランド。「ELEKI BRUSH」がAmazonや楽天のランキングで1位を獲得するなど好調な滑り出しを見せ、2025年3月にはヘアードライヤー「SHOWER DRYER」を発売し、商品ラインナップを強化しています。
同社は、美容への意識の高まりが継続する市場環境において、ECチャネルの拡大とリアル店舗での展開を両睨みし、多様なチャネルを通じた販売戦略を推進しています。
業績ハイライト:成長エンジン全開、来期も期待大
1. 経営成績 (2025年3月期実績 及び 2026年3月期予想)
決算期 | 売上高 (百万円) | 増減率 (%) | 営業利益 (百万円) | 増減率 (%) | 経常利益 (百万円) | 増減率 (%) | 当期純利益 (百万円) | 増減率 (%) | 1株当たり 当期純利益 (円) |
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2025年3月期 | 14,206 | 101.2 | 2,480 | 97.3 | 2,422 | 96.3 | 1,703 | 106.4 | 162.37 |
2024年3月期 | 7,061 | – | 1,256 | – | 1,234 | – | 825 | – | 137.52※ |
2026年3月期 (予想) | 28,000 | 97.1 | 4,800 | 93.5 | 4,775 | 97.1 | 3,330 | 95.5 | 285.15 |
※2024年3月期の1株当たり当期純利益は、2024年6月14日付の株式分割(1株→2,000株)を遡及適用して計算。
2025年3月期は、売上高が前期比101.2%増の142億6百万円と倍増を達成。営業利益も同97.3%増の24億80百万円、当期純利益は同106.4%増の17億3百万円と、利益面でも目覚ましい成長を遂げました。これは、主力ブランドの好調な販売と新商品の貢献によるものです。
続く2026年3月期の業績予想では、売上高280億円(前期比97.1%増)、営業利益48億円(同93.5%増)、当期純利益33億30百万円(同95.5%増)と、引き続き倍増ペースでの成長を目指すアグレッシブな計画を掲げています。
2. 財政状態
決算期 | 総資産 (百万円) | 純資産 (百万円) | 自己資本比率 (%) | 1株当たり 純資産 (円) |
---|---|---|---|---|
2025年3月末 | 6,966 | 3,309 | 47.5 | 283.41 |
2024年3月末 | 4,555 | 1,129 | 24.8 | △3.08※ |
※2024年3月末の1株当たり純資産は、株式分割を遡及適用して計算。
2025年3月末の総資産は前期末比24億11百万円増の69億66百万円。これは主に現金及び預金、売掛金、棚卸資産の増加によるものです。純資産は、当期純利益の計上及び2024年9月の公募増資等により、前期末比21億80百万円増の33億9百万円となりました。結果として自己資本比率は47.5%と、前期末の24.8%から大幅に改善し、財務基盤の安定性が向上しています。
3. キャッシュ・フローの状況
決算期 | 営業活動によるCF (百万円) | 投資活動によるCF (百万円) | 財務活動によるCF (百万円) | 現金及び現金同等物 期末残高 (百万円) |
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2025年3月期 | 1,314 | △156 | △143 | 3,932 |
2024年3月期 | 900 | △89 | 973 | 2,917 |
2025年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益24億22百万円に対し、売上債権や棚卸資産の増加があったものの、13億14百万円のプラスとなりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得などにより1億56百万円のマイナス。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済や社債の償還があったものの、新株の発行及び新株予約権の行使による収入などにより、1億43百万円のマイナスとなりました。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は39億32百万円と、前期末から10億14百万円増加しました。
過去の推移と今後の展望:成長戦略と自社開発ソフトウェア「SELL」への期待
Aiロボティクスは、過去数年で急速な成長を遂げてきました。2024年3月期から2025年3月期にかけて売上高が倍増したことは、同社の事業モデルと商品開発力、マーケティング戦略が市場に受け入れられている証左と言えるでしょう。
2024年9月27日には東京証券取引所グロース市場への上場を果たし、資金調達力と信用力を高め、さらなる成長への基盤を固めました。
今後の展望として、同社は2026年3月期も2025年3月期業績の約2倍の成長を目指しています。この目標達成に向けて、以下の戦略を推進する方針です。
- 魅力的な商品・ブランドの提供: 消費者のニーズを的確に捉えた新商品の開発と既存ブランドの価値向上に継続して取り組みます。
- 販路の拡大: ECチャネルの強化に加え、リアル店舗での展開も視野に入れ、顧客接点を拡大します。
- 自社開発ソフトウェア「SELL(セル)」の活用: このソフトウェアを用いた競争優位の創出を目指しており、データ分析に基づく効率的なマーケティングや販売戦略の実行が期待されます。
一方で、国内経済は個人消費の回復基調が期待されるものの、物価上昇による生活防衛意識の高まりや、国際情勢の不透明感など、予断を許さない状況も続いています。このような環境下で、同社がどのように顧客の支持を獲得し、持続的な成長を実現していくのか、その手腕が注目されます。
Aiロボティクスは、美容市場における確固たる地位を築きつつあり、その成長ストーリーはまだ始まったばかりと言えるでしょう。今後の新商品展開やマーケティング戦略、そして「SELL」の具体的な活用成果に期待が寄せられます。
出典:Aiロボティクス株式会社
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