銘柄分析

住信SBIネット銀行【7163】異次元の成長を遂げるネット銀行界の雄を決算から見る

investorlab

ネット専業銀行として独自の地位を確立している住信SBIネット銀行(7163)が2025年1月30日、2025年3月期第3四半期決算短信を発表しました。注目の業績を速報でお届けします。

事業内容

住信SBIネット銀行の事業内容は、個人・法人向けに預金、融資、決済などの銀行サービスをオンラインで提供しています。近年は、BaaS(Banking as a Service)事業を強化し、様々な企業との連携を推進しています。

2025年3月期第3四半期 連結業績の概要

項目2025年3月期第3四半期 (百万円)2024年3月期第3四半期 (百万円)増減額 (百万円)増減率 (%)
経常収益103,59885,31918,27921.4
経常利益26,72525,0971,6276.5
親会社株主に帰属する四半期純利益19,53818,2541,2847.0
  • ポイント
    • 経常収益は21.4%増と大幅な増収。
    • 経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益も堅調に増加。

セグメント別動向:BaaS事業が成長を牽引

セグメント経常利益 (百万円)前年同期比 (%)
デジタルバンク事業23,3093.6
BaaS事業3,64436.2
THEMIX事業△163
  • ポイント
    • BaaS事業が大幅な増益を達成。提携先との連携が拡大し、収益に貢献。
    • デジタルバンク事業は安定成長。
    • THEMIX事業は事業立ち上げ期のため、費用が先行。

財務状況:自己資本比率は微減

項目2025年3月期第3四半期 (百万円)2024年3月期 (百万円)
総資産11,563,19210,676,416
自己資本164,396151,608
自己資本比率 (%)1.41.4
  • ポイント
    • 総資産、自己資本は増加。
    • 自己資本比率はわずかに低下。

損益の状況分析(連結)

  • 連結業務粗利益の増加:
    • 2023年12月期比で42.67億円増加(8.1%増)
    • 主な要因は資金利益の増加。
  • 資金利益の増加:
    • 2023年12月期比で47.74億円増加(14.9%増)
    • 貸出金や有価証券の残高増加、運用利回り上昇などが寄与。
  • 営業経費の増加:
    • 2023年12月期比で26.36億円増加(9.7%増)
    • システム関連費用や広告宣伝費の増加などが影響。
  • 経常利益の増加:
    • 2023年12月期比で16.27億円増加(6.5%増)
    • 連結業務粗利益の増加が寄与。
  • 四半期純利益の増加:
    • 2023年12月期比で12.92億円増加(7.1%増)
    • 経常利益の増加に加え、特別利益の増加も影響。

全体的な傾向

住信SBIネット銀行は、資金運用収益の増加により収益性を高めています。 一方で、営業経費も増加しており、積極的な事業展開やシステム投資を行っていることが伺えます。 経常利益、四半期純利益ともに増加しており、堅調な業績を示しています。

損益計算書(連結)用語解説

勘定科目説明
連結業務粗利益金融機関の主要な収益を示す指標で、資金運用収益から資金調達費用を差し引いたものに、役務取引等収益やその他業務収益を加えたもの。
資金利益預金や貸出金、有価証券など、資金を運用することによって得られる収益から、資金を調達するために支払う費用を差し引いたもの。
役務取引等利益手数料収入など、役務を提供することによって得られる収益。
その他業務利益その他の業務によって得られる収益。
国債等債券関係損益国債や債券の売買や評価によって生じる損益。
営業経費人件費、物件費、税金など、営業活動に必要な費用。
与信関係費用貸倒引当金繰入額など、与信に関連する費用。
株式等関係損益株式の売買や評価によって生じる損益。
持分法による投資損益関連会社や子会社の損益を持分に応じて計上したもの。
経常利益企業の経常的な活動から生じる利益。
特別損益臨時的、偶発的に発生した損益。
税金等調整前四半期純利益法人税等を差し引く前の四半期純利益。
法人税等法人税、住民税、事業税など、税金の合計額。
四半期純利益税金等を差し引いた後の四半期純利益。
親会社株主に帰属する四半期純利益親会社の株主に帰属する四半期純利益。
連結実質業務純益より実態に近い収益力を示す指標で、連結業務粗利益から営業経費と与信関係費用を差し引いたもの。

今後の展望

住信SBIネット銀行は、BaaS事業をさらに拡大し、多様な企業との連携を強化することで、新たな顧客層を開拓していく方針です。また、デジタルバンク事業においては、住宅ローンや資産形成ローンの推進に加え、アプリのUI/UX改善などを通じて顧客満足度を高めていくとしています。

まとめ

住信SBIネット銀行は、BaaS事業の成長により、増収増益を達成しました。今後は、BaaS事業のさらなる拡大と、デジタルバンク事業の強化により、持続的な成長を目指すとしています。今後の展開に注目です。

参考ページ:住信SBIネット銀行 株式会社のIRページ

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Dr.カブアガール
Dr.カブアガール
Data Analytics Specialist
金融データ分析メディア「インベスター・ラボ」所長 兼 データアナリティクススペシャリスト。 日々変化する株式市場の海の中から、データという羅針盤を手に「隠れた成長企業」という宝の島を探し求める探求者。複雑な財務データや市場トレンドを分かりやすく紐解き、個人投資家の皆様の意思決定をサポートすることを使命に燃えている。チョコに目がない
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