ソニーグループ株式会社26年3月期1Q決算を徹底分析!好調を牽引する事業と潜む課題とは
2025年8月7日に発表されたソニーグループ株式会社(以下、ソニー)の2026年3月期第1四半期決算。本記事では、この決算短信と決算説明資料を徹底的に読み解き、ソニーの現状と今後の展望について、ウェブメディアの記事風に分かりやすく解説します。
特に注目すべきは、ソニーフィナンシャルグループ(SFGI)の分社化方針に伴い、金融事業が「非継続事業」に分類された点です。そのため、今回は「継続事業」のデータに焦点を当てて分析を進めます。
目次
驚異的な営業利益の伸び!決算ハイライト
まずは、ソニーの連結経営成績(継続事業)を見ていきましょう。
項目 | 2026年3月期1Q | 2025年3月期1Q | 増減率 |
---|---|---|---|
売上高 | 2兆6,216億円 | 2兆5,653億円 | +2.2% |
営業利益 | 3,399億円 | 2,491億円 | +36.5% |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 2,590億円 | 2,101億円 | +23.3% |
営業利益率 | 13.0% | 9.7% | +3.3ポイント |
売上高は前年同期比で2.2%増と堅調な伸びを見せていますが、特筆すべきは営業利益が36.5%増と大幅な増益を達成した点です。これにより、営業利益率は9.7%から13.0%に改善しています。これは、後述する特定の事業セグメントが大きく貢献した結果です。
利益を牽引したのはどの事業?セグメント別分析
ソニーの成長を支えているのは、具体的にどの事業なのでしょうか?セグメント別の売上高と営業利益の動向を見てみましょう。
売上高の推移
セグメント名 | 2026年3月期1Q | 2025年3月期1Q | 増減 (百万円) |
---|---|---|---|
ゲーム&ネットワークサービス | 9,365億円 | 8,649億円 | +716億円 |
イメージング&センシング | 4,082億円 | 3,535億円 | +547億円 |
音楽 | 4,653億円 | 4,420億円 | +233億円 |
映画 | 3,271億円 | 3,373億円 | -102億円 |
エンタメ・テクノロジー&サービス | 5,343億円 | 6,009億円 | -667億円 |
売上高では、ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)とイメージング&センシング・ソリューション(I&SS)が大きく増加しています。特にG&NSは、為替のマイナス影響があったものの、サードパーティーのソフトウェア販売やネットワークサービスの増収が貢献しました。 一方で、スマートフォンやテレビを扱うエンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)は大きく減少しており、課題が垣間見えます。
営業利益の推移
セグメント名 | 2026年3月期1Q | 2025年3月期1Q | 増減 (百万円) |
---|---|---|---|
ゲーム&ネットワークサービス | 1,480億円 | 652億円 | +827億円 |
イメージング&センシング | 543億円 | 366億円 | +176億円 |
音楽 | 928億円 | 859億円 | +69億円 |
映画 | 187億円 | 113億円 | +74億円 |
エンタメ・テクノロジー&サービス | 431億円 | 641億円 | -209億円 |
営業利益を見ると、G&NSが圧倒的な伸びを見せていることが分かります。G&NSの利益増加額は全体の90%以上を占めており、まさに決算の好調を牽引するエンジンとなっています。 I&SSも堅調な伸びですが、ET&Sの減益が全体の足を引っ張る形となっています。
今後の動向と通期見通し
ソニーの通期業績予想(継続事業)も確認しておきましょう。
項目 | 2026年3月期通期予想(8月時点) | 2025年3月期実績 | 増減率 |
---|---|---|---|
売上高 | 11兆7,000億円 | 12兆349億円 | -2.8% |
営業利益 | 1兆3,300億円 | 1兆2,766億円 | +4.2% |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 9,700億円 | 1兆674億円 | -9.1% |
通期では売上高が前期比でわずかに減少する見込みですが、営業利益は前期比4.2%増と増益を予想しています。親会社株主に帰属する当期純利益は減益予想ですが、これは決算短信の注記にある通り、一連の米国の関税政策の変更による影響などが考慮されているためです。
まとめ:ソニーの強みと課題
強み
- G&NSの圧倒的な収益力: PS5を中心としたゲーム事業の好調が、ソニー全体の成長を力強く牽引しています。PlayStation Networkの月間アクティブユーザー数は前年比で6%増となっており、ユーザーエンゲージメントの強さが伺えます。
- I&SSの堅調な成長: スマートフォン向けイメージセンサーの需要増加が、事業の安定的な利益を生み出しています。大判化と高付加価値化のさらなる進展により、今後の売上成長も期待されます。
- 財務基盤の健全性: 自己資本比率の上昇や、本業で安定して現金を創出できるキャッシュ・フローは、将来への投資や株主還元を可能にする強固な基盤です。
課題
- ET&S事業の苦戦: テレビやスマートフォンの競争激化は、今後も事業の重荷となる可能性があります。特にテレビ事業では、他社による厳しい価格攻勢が課題となっています。
- 為替変動の影響: 各事業セグメントで為替のマイナス影響が見られ、今後の為替動向が業績を左右する可能性があります。
- 金融事業の分社化: 安定的な収益源であった金融事業がなくなることで、事業ポートフォリオのバランスがどのように変化するのか、今後の動向が注目されます。
ソニーは、G&NSとI&SSという二つの強力なエンジンを持ち、堅調な成長を続けています。しかし、ET&S事業の構造的な課題や、為替変動、分社化に伴うポートフォリオの変化など、注意深く見ていくべき点も多くあります。今後のソニーの舵取りに注目していきましょう。