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【2025年3月第2週 株式市場投資部門別売買状況】市場間で異なる動き、プライムは自己取引と海外投資家が売り越し

investorlab

2025年3月第2週(3/10-3/14)の株式市場では、市場間で異なる動きが見られました。 東証プライム市場では総売買代金は前週から減少したものの52兆9490億円と高水準を維持しました。 一方で、東証スタンダード市場、グロース市場では売買代金はそれぞれ1兆4009億円、1兆9870億円となりました。 投資部門別に見ると、プライム市場では自己取引と海外投資家が売り越しに転じ、個人投資家は引き続き買い越しとなりました。

市場別売買代金増減分析 (3/10-3/14 vs. 3/17-3/21)

市場前週総売買代金 (千円)今週総売買代金 (千円)増減率
プライム52,949,018,86045,109,200,236-14.81%
スタンダード1,400,922,8311,228,112,747-12.34%
グロース1,987,074,8261,479,013,965-25.57%
二市場合計56,339,580,28047,819,345,330-15.12%

考察

  • プライム市場: 売買代金が14.81%減少し、前週の活況から一転して取引が低迷しました。
  • スタンダード市場: 売買代金は12.34%減少し、中小型株への関心がやや薄れた可能性があります。
  • グロース市場: 売買代金が25.57%と大幅に減少し、成長株市場の過熱感が冷めた可能性があります。
  • 二市場合計: 全体として15.12%減少し、市場全体の取引が縮小しました。

自己取引

市場前週自己取引差引 (千円)今週自己取引差引 (千円)
プライム871,629,988434,751,576
スタンダード4,438,0376,504,414
グロース4,045,997-840,551
二市場合計880,216,451440,433,177

考察

  • プライム市場: 自己取引は前週に引き続き買い越しですが、買い越し額は大幅に減少しました。証券会社はプライム市場の買い控えに動いた可能性があります。
  • スタンダード市場: 自己取引は買い越しを維持し、買い越し額も増加しました。証券会社は引き続き中小型株に強気な姿勢を維持していることが伺えます。
  • グロース市場: 自己取引は売り越しに転じました。グロース市場の株価下落を受けて、証券会社がリスク回避に動いた可能性があります。
  • 二市場合計: 自己取引の買い越し額は大幅に減少しました。

海外投資家

市場前週海外投資家差引 (千円)今週海外投資家差引 (千円)
プライム-792,161,132227,275,420
スタンダード-1,517,81921,950,664
グロース-15,102,43011,685,558
二市場合計-808,595,250261,144,507

考察

  • プライム市場: 海外投資家は前週の売り越しから一転して買い越しに転じました。日本株への見方が改善した可能性があります。
  • スタンダード市場: 海外投資家は買い越しに転じました。中小型株への関心がわずかに改善した可能性があります。
  • グロース市場: 海外投資家は買い越しに転じました。グロース市場への投資意欲が回復した可能性があります。
  • 二市場合計: 海外投資家は大幅な買い越しに転じました。

個人投資家の取引状況 (3/17-3/21)

  • プライム市場: 売り越し
  • スタンダード市場: 買い越し
  • グロース市場: 買い越し

個人投資家はプライム市場では売り越し、スタンダード市場とグロース市場では買い越しとなりました。

考察

2025年3月第3週は、第2週と比較して市場全体の取引が低調になる中で、投資部門間の動きに大きな変化が見られました。

最大の変化は、海外投資家が売り越しから買い越しへとスタンスを転換した点です。これは週後半にかけての市場センチメントの改善や、特定の投資材料に対する反応などが背景にある可能性があります。

一方で、個人投資家は売り越し姿勢を強めました。海外投資家が買いに向かう局面で、利益確定や損切りを進めた投資家が多かったことが推測されます。個人投資家の売買シェアが増加していることから、市場における存在感は増していますが、信用取引比率の低下からはやや慎重な姿勢も窺えます。

法人や証券会社も売り方に回る傾向が見られ、全体としては「海外投資家の買い vs 国内投資主体の売り」という構図が鮮明になった週と言えます。

市場全体のエネルギーが低下する中で、海外投資家の買い意欲が相場を下支えしたものの、国内勢の売り圧力も根強かった、という状況が考えられます。

今後の注目点

  • プライム市場における海外投資家の買い越しが継続するか、一時的な動きに終わるのか。
  • グロース市場の売買代金減少と自己取引の売り越しが継続し、調整局面に入るのか。
  • 個人投資家の市場間の資金移動の動向。
  • 引き続き、米国の金融政策や経済指標、企業決算などが日本市場に与える影響に注意が必要です。

免責事項:

このレポートは情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。

参考URL:日本取引所グループ

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Dr.カブアガール
Dr.カブアガール
Data Analytics Specialist
金融データ分析メディア「インベスター・ラボ」所長 兼 データアナリティクススペシャリスト。 日々変化する株式市場の海の中から、データという羅針盤を手に「隠れた成長企業」という宝の島を探し求める探求者。複雑な財務データや市場トレンドを分かりやすく紐解き、個人投資家の皆様の意思決定をサポートすることを使命に燃えている。チョコに目がない
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